金木犀の妖精

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「そっかぁ…」 「明日何かあんですか?」 「んー?あぁいやいや、明日ムック東店の方に居る私の上司がこっちの南店の方の内部の視察に来るからテキパキちゃんとやってますってとこ見せときたかったのよね」 「は、はぁ…」 よく分からず頷きながら聞いてると俺が分かってないのを察した木本さんが ふふっ と笑った。 「言い方悪いから大声で言えないんだけどうちの南店って他のとこより年寄り店員多いでしょ?一番若くて動きが良いのって三上君くらいしか居ないから明日居なくて残念だなぁって思ったのよ」 「あぁ…」そう言う事…。 確かにうちの店舗って自分の親より歳上の人多いんだったな。 自分の親と同い歳の木本さんがさっき「そっかぁ…」とガッカリしたように言ってた意味をようやく理解して何となく「なんかすいません」と謝ると木本さんは「良いの良いの!」と笑顔で言った。 「謝ってほしくて言ったんじゃないから気にしないで」 「俺明日来ましょうか?」 「ううん、大丈夫。毎日大学で勉強してから働きに出てクタクタなんだから休みの日はちゃんと休みなさい」 木本さんってマジ良い上司だよな…。「分かりました。でも何かあったら言って下さいね」 「うん」木本さんはにっこり頷いた。
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