金木犀の妖精

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「そんじゃ失礼します」 「は〜い。気をつけて帰んなさいね」 「っス」 バイクに跨りぺこっと軽く頭を下げてバイクを走らせるとバイクミラーに木本さんがにこやかに手を振ってる姿が映っていた。 「…ったく」 人の事だと思って面白がりやがって…。 『スマイル下さいっ!』 ぴょんぴょん飛び跳ねるような笑顔で毎回会いに来るあの子の顔を思い出してまたため息がこぼれた。 あんなのの何処が良いってんだよ、全然まだ子供だろうが…。                『……私本当に好きなんです!』 『ったく…しょうがねぇ奴だな。お前本当馬鹿だよ』 『三上さん…』 『ほら、もっとこっち来いよ』 「!?」 はっ として目を開けると外からブロロロロ〜と新聞屋がバイクを走らせる音が聞こえてきた。
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