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そう考えると、佐伯くんと反対側に花が並ぶ。
「ひなた、脱がないの?着てきたんでしょう?」
花に問いかけられ苦笑いする。
「こんな綺麗な人の周りで脱げないよ」
「ええ、もったいないよ!」
花はもうひとり同期の水野くんにアピールするために大人っぽい水着をチョイスしていた。
水野くんも甘いフェイスで結構人気がある。
黒髪と目の下の涙ボクロで可愛いと言われている。
佐伯くんとはまた違う人気だ。
「やめとけよ、俺以外にみすぼらしい体見せられる男がいるのは可哀想」
花の声が聞こえていたのか耳元でそんなことを言ってくる。
「大きなお世話!」
私をからかって楽しそうに笑っている佐伯くん。
あ、その笑顔は私しか見れない笑顔だ。
この笑顔を好きと思ってしまっている私がいた。
素を知ってあの時は戸惑ってしまっていたけど今は慣れて嫌悪とかそういうのはなくなっていた。
「どんな水着着てきたの、見てやろうか?」
「セクハラ反対」
触れようとしてくる手を払う。
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