Episode2

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「てか佐伯くんも行きなよ、向こう」 「俺は良いよ、海好きじゃないし」 そんな会話をして、ずっと海を眺めていた。 水着、私も佐伯くんにアピールできたらと思って着てきたけど無駄だった。 みすぼらしい体と言われてしまえばどうもできない。 見られていることもすっかり忘れてたし。 「てか水着わざわざ新調して着てくるなんて、見せたいやつでもいた?」 そんな風に飛んでくる質問に首を横に振る。 「…もういい、諦めたから」 「はあ?誰に見せたかったの?」 人の気も知らないで聞いてきやがって。 本当の事言ったら意識してくれるのかな。 多分私はまだ佐伯くんが好き。 だからアピールしたいなんて思ってるし、浮かれたりもした。 なのに本人からはみすぼらしい体なんて言われる。 海なんて嫌い。 「みすぼらしいとか貶してきたこの人」 顔は見ないで指を指すと、からかうような言葉を想像していたけど中々言葉は来ない。 「何黙ってんの」 「へぇ?俺に見てほしかったんだ?」 好きだって気持ちを見透かすようなその笑顔。 ドキドキも全部見透かされているんじゃないかって思う。
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