お茶会

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お茶会

 そしてさらに月日は流れて……なぜ私は、ヴェルナー殿下とナターリエさまと一緒にお茶を飲んでいるのかしら……?  いや、ちゃんとわかっている。招待されたからだ。  招待されたときはてっきり、他の貴族の方もいらっしゃるのだろうと思っていた。なんせ、殿下直筆の招待状だったから。  王族からの誘いに、一瞬気を失いかけたのは内緒だ。  ……とはいえ、この状況、いったいなんなのかしら……? 「……殿下、レオノーレさまが緊張していらっしゃるわよ?」 「あ、ああ……こほんっ。今日はわざわざ王城まで来てもらって、ありがとう」  ライナルトさまは(そば)にいない。いつもなら、殿下の近くに控えているはずなのに……  心細くなって、つい彼の姿を探してしまう。  そんな私に対して、ナターリエさまは優雅にお茶の飲んだあと、殿下に声をかけた。  ……お、王族から、お礼を言われた……!? 「あ、あの……他の方々は本日、いらっしゃらないのですか?」 「ああ。今日は三人だけだ。そんなに心配しなくて良い。取って食ったりしないから」  私、美味しくありませんっ! と心の中で叫んだ。  そんな私に、ナターリエさまは扇子を広げて口元を隠した。小さく笑う気配がする。 「今日のお茶会は、殿下かレオノーレさまに謝罪したくて開いたの。だから、他の方々はいらっしゃらないわ」  優しく言われて、私は「?」と首を傾げた。  殿下が私に謝罪……? いったいなんのこと……? 「その、あのパーティー会場で騒ぎを起こしてしまい、クラウノヴィッツ男爵令嬢には周囲の注目を浴びせてしまっただろう」
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