惹かれあって幻

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「今日は雨が強いなぁ……」 「そうね。そうだ、飛奈斗、二那って覚えてるでしょ?」 「あぁ、あいつか。高校の頃から好きじゃなかったんだよな――って、急になんだ?」 「あいつ、なんかさ――」 その瞬間、雨が強まり声がかき消される。 「なんだ?聞こえなかった。」 「だから!あいつ、――首吊って死んだらしいよ。」 「えぇ……自殺?あいつそんな病んでたの?」 「そうらしいよ、笑えるよねー。」 「まあ、大学の頃から美來〜美來〜って、美來のこと大好きだったもんな。それで、俺に奪われて、心病んじゃった的な?」 「ほんとウケる。あたしは飛奈斗しかみてないからね♡」 「当たり前だ。これからもよろしくな。美來。あ、今日の晩御飯は?」 「――人参の煮物でーす!飛奈斗、人参嫌だとか言わないでよ?」 パスト――過去。それは、存在するのかしないのか。 信じるか信じないかは、あなた次第。
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