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(さっきの違和感は何だったんだろう?) 先ほど感じた違和感を思い出し、なんとなく居心地の悪さを感じた美緒は、何気なく電車内の風景に目を移す。もしかしたら、無意識のうちにいつもの風景を見て安心を得たかったのかもしれない。 「えっ!!」 美緒は、思わずそう呟いた。 電車からは、いつもの安心感を得られなかった。というのも乗客達は、誰もがみな普段とは異なった格好をしていた。大半の人が私服を着ていて、スーツを着ている人はほとんどいない。いや、皆無といっていいかもしれない。
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