Episode1

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「本当、あんたがいて良かった今夜は」 そう呟くと煙草の灰を灰皿に落として、こちらに視線を向ける。 「俺も自分の修羅場はあっても、他人のあんな現場に遭遇すると思わなかったわ。」 そう言って笑うと、ふと何か考え込んだ横顔を見せて 「真面目な恋愛なんて、するだけ時間の無駄だろ」 そんな風に言っていた。 「あんたっていつから遊んでるの?」 「覚えてないけど高校生くらい?」 「うわあ、想像つくわあ。先生のいない保健室とかでシてそう」 「お前が俺にどんなイメージ抱いてるかよく分かった」 こんなくだらない話で笑えるのもこいつのおかげだ。 明日からは一人の時間、職場では戦わなきゃいけない。 本当、1人じゃなくて良かった。
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