136人が本棚に入れています
本棚に追加
私は鞄の中に常に入れているマスクを付けて顔をすぐ見られてもバレないように格好を変えた。
京は彼氏に存在もバレていないから、特になにも隠すようなことはしない。
人混みの中を自然に歩いて2人の後ろを着いてく。
「まさかあんたとこんなことする羽目になるなんて」
「俺だって予想外だよ、てか持ってんねぇ。婚約した彼氏が結婚する前に浮気発覚なんて。結婚する前でまだ良かったじゃん?」
「慰めてるつもり?それ」
スマホをいじってるフリしながらカメラを構えてる京。
こういうの慣れてるんじゃないかってくらい上手くやっている。
「あの彼氏と長いんだっけ?」
「3年くらいかな。」
「同じ職場でだっけ?あの様子だと結構長い間だったんだな。」
確かに後輩からの距離が近いななんて思ったりもしてた。
仕事してる時間は、仕事が好きだったし気にしないようにしてて。
ああ、分かってしまったかも。
浮気された理由。
「…私に可愛気が無いからだ。」
「…?何を今更、お前が可愛くない事なんて付き合う前からわかってんだろ」
「はっ倒すよ本当」
何言ってんのお前?みたいな反応をする京に少し溜息を吐いて、変わらず2人の背を見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!