例えその先が地獄だろうと

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「…何で、黙って受験する高校変えた? 俺から逃げて何処の馬の骨かも分からない男でも掴まえるつもりなの?」 「…っ、ちが、」 「あーあ、楽しみにしてたのになぁ。美雨ちゃんと同じ高校に通うの。いっぱい遊べるはずだったのに、残念」 怒りに目を吊り上げる真雪と、ゆったりと口角を上げる千尋。 本当は、千尋の通っている高校を真雪と一緒に受験する予定だった。 怖くてその時は了承したけど、本音ではそんなの絶対嫌だったので、真雪たちを怒らせる原因になった、受付締切間近に受験先を変えるという作戦を実行した。 先生や両親に誰にも言わないでと頼み込み、 仲のいい友達にも内緒にした。 何故ならもしも勘づいた真雪に聞かれた時、絶対に隠し通せると思えなかったからだ。 真雪の外面の良さと顔面偏差値の高さで、大半の女子は目がハートになって簡単に口を割ってしまうし。
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