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ヤンデしまったシゴデキ女子 side 藤島翔琉
クライアントとのヒアリングの時はきょどる事もなく、にこやかに対応できてるが、
「佐倉さん、俺のアイデアどう?」
「そうですね……いいんじゃないですか」
ヒアリング先巡りから社に戻り、佐倉さんと打ち合わせをしていたらグループメンバーが集まってきて、要求定義についてアドバイスを求め、固まっていた。
請け負う案件は違って関わりがなくても、グループ内でお互いの案件に対してディスカッションするのは大事だと思う。
「ですけど、……広告リテラシーを考えるともうちょっと表現を抑えた方がいいと思います」
誇大広告や偽装行為は炎上を引き起こす。
クライアントの要望を聞き入れ、コピーライターに依頼して広告の概要を決める際、虚偽な広告を決して作ってはならない。
佐倉さんのアドバイスはいつも的をついている。
「巡回したクライアント様の要望を忘れないうちに纏めたいので帰ります。お先に失礼します」
フルリモート勤務で契約したのもあり、佐倉さんはヒアリングでしか出社しない。
自分の仕事と関係ない雑談に時間を取られるのが嫌なのかもしれない。
「佐倉さん、フルリモートで契約してるけど、出社して仕事する気ない?」
「マイペースに仕事をしたいので、出社したくないです」
断られるとわかっていて、提案する。
「できたら、俺との打ち合わせの時は出社して欲しいな」
首斬りマネージャーからのお願い。
かなり嫌そうな表情を浮かべるも
「……わかりました」
承諾した。
なるべく邪魔が入らないようにはする。
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