ヤンデしまったシゴデキ女子  side 藤島翔琉

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『ストレス性蕁麻疹が出て、出社を控えたい……のですか』 不幸中の幸い、可愛い顔には出ていないが、首から下から全身が真っ赤にただれているようだった。 長袖ブラウスとストッキングで今まで蕁麻疹を隠していたが首まで出てしまい、これ以上は無理だと朝イチにテレビ電話がかかってきた。 『クライアントさんや下請け社員さんは大丈夫なんですよ。長い付き合いになっても直接関係が無いので割り切れます。勤務先の同僚となると警戒してしまうんです』 出社を強制したからストレス性蕁麻疹が出てしまったらしく、 『……クビになってもいいです。もう疲れました』 退職を視野に入れるぐらいに苦しんでいた。 「ひとまず蕁麻疹が落ち着くまではリモートで勤務して、カメラオフでいいから。出社はヒアリングの時だけでいいから。それほど嫌だったんだね。すまなかった」 同じ会社に勤める同僚に対する拒絶感。 過去に何かあったのかもしれない。
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