コミュ障シゴデキ女子、引きこもる  side 藤島翔琉

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「これ、佐倉さんに渡してくれる!?」 行く先々からお見舞いの茶菓子を渡され、困る。 「ソミーの新井副社長と馬島建設の有馬常務から佐倉さんに土産を渡されたんだけど、届けに行っていい?」 佐倉さんにカメラ通話をかけ、確認をする。 突然の自宅へ客先くら渡されたお見舞いを持って伺うのはセクハラになるから。 「佐倉さんにってお見舞いが結構届いてるんだ。クライアント先や下請け会社の担当者の気持ちだから処分するわけにはいかないし」 『えっ!!わ、わかりました。お手間をおかけしますが宜しくお願いします』 大きな紙袋4つ分のお見舞い品。 賞味期限が短い有名な高級菓子類が大半だから佐倉さんは困るだろう。 徒歩10分かからない佐倉さんが住むマンションへ向かう。 「はーい!?藤島マネージャー、お疲れのところ届けて下さり、ありがとうございます。どうぞ、上がって下さい」 ひとり暮らしをしている佐倉さんの部屋の中に招かれてしまった。 「お見舞いをくださった方の一覧を書いて下さりありがとうございます。御礼のメールを送っておきます」 15個の箱の中から炭治郎のバームクーヘンを開け、コーヒーメーカーで入れたコーヒーと共に持ってきた。
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