イケメンマネージャーの突然の訪問

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狸の置物な元マネージャーだったら、部屋の中に入れるのは断固拒否する。 トミタに出張に行った時、夜中に暑いからと服を脱ぎ捨てて下着姿になった私を目を逸らしスルーした藤島マネージャー。 トイレで吐き散らかしてる姿も見られたから、私は確実に対象外になったと思う。 アバター仕様でフルリモートをしているから、メイクもせず、Tシャツと短パンといった楽な部屋着で過ごしてる。 蕁麻疹で赤くただれた胸元から首筋、腕と脚もまだ完全には治ってなく、見苦しい姿を目の前で晒しているから、もはや女性に見えてないかもしれない。 「藤島マネージャーに確認したかったとこが数点あるのですがよろしいですか?」 療養でフルリモートをしているのもあり、気づかってなのか藤島マネージャーとリモート打ち合わせを行っていなかった。 「仕事、早いな」 「フルリモートで仕様書作成ぐらいしかしてないので」 ミドルクラス以下の案件はサポート役の社員に任せていて、何かあればリモートで対応してる。 「じゃ、3件、仕様書作成をお願いしていいですか?」 「大丈夫です。任せて下さい」 仕事の件で時々藤島マネージャーがウチを訪れるようになった。 クライアント先と下請け企業の担当者からのお見舞いとポケットマネーからの差し入れ。 料亭の海鮮がふんだんに使われた老舗の仕出し弁当とフルーツたっぷりのスイーツはかなりありがたかった。
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