信頼されすぎている狼 side 藤島翔琉

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ヒアリングに同行させた時に、昼食と夕食をよく一緒にとっていたが、リクエストされた事はなく、いつも無言で咀嚼していた。 「快気祝いに銀座の鮨よしたかに行こうか。予約が取れたらだが」 この1ヶ月で職場の上司から兄みたいな友達に関係がなった気がする。 「いいですね。ご馳走になります、マネージャー」 コミュ障だけど仕事ができ、見た目も性格もやることなす事全てが可愛い佐倉さんの事を俺は好きになってしまった。 酔って嘔吐してる姿や首から下が蕁麻疹でただれてる姿も気持ち悪いとは全く思わず、ただ心配で可哀想でならなかった。 そんな姿も愛おしくてならなかった。 なるべく時間を作り、佐倉さんと過ごす。 土日祝の会う口実がない日。 佐倉さんに会いたすぎ欲求不満になり悶え苦しむ。 佐倉さんにこの想いを伝え、受け入れて欲しい。 だが、拒絶され、築いた関係が壊れ、会社を辞められたら嫌だ。 だから気持ちを伝える事ができないでいた。
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