悪友の彼女 side 藤島翔琉

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「天宮……真凛。大学時代の後輩だ」 世間はこんなにも狭いのか。 3歳年下だからあまり接点はなかった。 修士課程の時に1年間、俺のサポートについてくれた。 Vチューバーの歌い手でヒット曲を多数出したマリンが彼女だとは思いもしなかった。 Googloが求めている人材。 語学ができプログラミングに秀でているだけでは評価されない。 良い広告を作るためにはリーダーシップが必要で、斬新的なアイデアを閃き、新しい事にチャレンジする積極性が必要。 彼女はどちらかと言えば大人しいタイプで積極性があるとは思わない。 ただ、発想力は豊かで根性はある。 人間関係に苦労し、前に出ない性格になったのかもしれない。 **** 「日本の女はヤバいやつばかりだな」 彼女ができたからと日本に帰国し、時差ありのフルリモートで働く事にした結城。 名古屋にいるもう1人の友人、冨田颯人を呼び寄せ日曜日の夜にオールする。 「女の嫉妬は恐ろしいからな。社内恋愛だと難しいと思うぞ」 中高一貫校時代から付き合っているデンタの御令嬢桐嶋涼子に尻に引かれている天下のトミタの創業者家系の嫡男。 「真凛が社内の女性社員に嫌がらせを受けているはずなんだ。なんかバレずに証拠を掴む方法ないか」 嫌な予感がする。 「超小型AI搭載盗聴カメラを開発して、御守りに持たすしかないな!!」 「そうだな。すぐに開発に着手する」 高校時代にドラえも⚪︎の秘密道具、タケコプ○ーを作り、冨田は死にかけた。 開発に関し、部品と製造に関与したのが俺の実家が経営している生産ライン工場で、跡取りの兄が面白がって製作し、大問題になった。 トミタの嫡男を殺すとこだった。 「俺は一切関わらないからな」 何をやらかすかわからない悪友2人。 コイツらのせいで俺は酷い目に合う。 斬新なアイデアは犯罪も起こす……。
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