コミュ障に恋愛は難しい  side 結城創真

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コミュ障に恋愛は難しい  side 結城創真

「……佐倉さんが昨日付けで退職した!?」 近いうちに執行されると危惧されていた一斉解雇。 事前に希望退職者を募ってはいたがアメリカ本社が一括管理していたのもあり、佐倉さんが志願した事を俺は知らなかった。 解雇通達メールの翌日から社内ネットワークに入るアカウントが失効したりとさよならも言えずに解雇されている現状を知る。 かなり強引な人員削減が世界的に行われた。 「昨日の夜に引越した!?」 朝のミーティングを手短に終わらせ、騒つく社内を抜け出し佐倉さんが住むマンションへ行くと不、動産屋の営業が佐倉さんの居た部屋にハウスクリーニングの業者を入れてるとこに遭遇し、呆然とする。 佐倉さんのプライベートのスマホに連絡を入れる。 電話番号は解約して通じず、連絡が取れなくなった。 一斉解雇を行ったため、アメリカ本社が全てを仕切ったため、支社の総務人事も退職後の連絡先など把握してなく、途方にくれた。 「藤島の彼女も……居なくなったか」 コイツが執念深く天宮に付き纏うから、佐倉さんも警戒して俺に連絡先を伝えず去ってしまった。 俺に関して、佐倉さんに想いも伝えられていない。 社内恋愛に怖気付き。 コミュ障に恋愛は難しい。 結城と俺に愛想を尽かし、天宮と佐倉さんは去ってしまった。 「AI搭載追跡ドローン使うか?髪の毛さえあれば捜索範囲は狭いが見つけ出す事は可能だ」 「断る」 犯罪紛い行為に手を出す気はない。 だが、佐倉さんの事を諦める気はなかった。
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