まとまりのないグループ  side 藤島翔琉

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まとまりのないグループ  side 藤島翔琉

グループの出社率30% 出社している社員、女性社員のみ。 「佐倉さん、絶対にマネージャーの事、狙ってるよ」 「だよね。いつもは請け負わないような案件を引き受けてたしさ」 リモート勤務推進でフリーアドレスを基本にグループアドレスに導入し、部署ごとでまとまるよう職場の環境を整えるも、コロアウイルスの流行で在宅勤務が認められた世の中、出社率の低迷は避けられない。 「仕事ができるからって佐倉さん、いい気になってるよね!!陰キャで出社拒否してフルリモート申請出してるのに!!」 フルリモート申請を出してるが、クライアントとのヒアリングで週2は出勤もしくは出張している。 現在、出社率週2以下の社員をブラックリスト化して指導しているが佐倉さんは該当されていない。 「佐倉さん、お疲れ様。仕様書の提出だよね」 クライアントとの商談で午後から出社していた佐倉さん。 完成した仕様書の提出でグループスペースに入ろうとした、田坂さんを含む女性社員5人の会話を聞き、気分を害している。 リモート勤務が主流になりチーム編成を組むのが難しくなった。 人間関係に関して仕事だからと割り切るのではなく、会社側が合う合わないで組むようになった。 佐倉さんに関しては他人と関わりを極力持たない1匹狼タイプ。 「仕様書確認お願いします。では」 たぶん、田坂さん達が発していた悪口を聞いていたが、不機嫌にはなるもののスルーして立ち去った。 こんなだから田坂さん達の案件の尻拭いを佐倉さんは断固として引き受けない。 助け合いの精神からか仏様みたいな貫禄を放っていた前リーダー大善さんとサブリーダーの榛原さんが彼女達を甘やかした結果だろう。 仕方がない。 業務経歴から見てとれるから、人事異動で左遷する事を掛け合った。
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