第9章 緊張と不安の初デート

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 電話の向こうで爆笑している康成の恋人と「おい、やめろよ!」と焦った声で恋人を止めに入る康成の声にイラッとする。 「ちょっとそれ、どういうこと? 康成」と問い詰めれば、しどろもどろになりながら康成が返答した。 『俺が言ったわけじゃなくて、その……バーテンの牧雄さんがLIMEで書いてて、それを俺の恋人が見て……で、おまえのことを話したら『“言い得て妙”だー』って……』 「ふーん。みんなして裏で、ぼくのことをそういうふうに言ってたわけ」 『いやいや、違うって! 誤解だよ!』  こっちは真剣なのに、面白おかしく茶化されていたことを知って無性に腹が立った。 「きみに相談しようと思ったぼくが間違いだったみたいだね。それじゃ、彼氏さんによろ」 『ちょっと、ちょっと晃嗣くん。いくらなんでもオレの康成に対して態度悪くない!?』  突然の乱入者の声に頭が痛くなってくる。康成が『おい、やめろって。返せよ、バカ!』と喚いているのが遠くから聞こえてくる。 「初めまして。いつもお世話になってます。あなたの話はオリュンポスのバーで康成からよく聞いてるよ」
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