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電話の向こうで爆笑している康成の恋人と「おい、やめろよ!」と焦った声で恋人を止めに入る康成の声にイラッとする。
「ちょっとそれ、どういうこと? 康成」と問い詰めれば、しどろもどろになりながら康成が返答した。
『俺が言ったわけじゃなくて、その……バーテンの牧雄さんがLIMEで書いてて、それを俺の恋人が見て……で、おまえのことを話したら『“言い得て妙”だー』って……』
「ふーん。みんなして裏で、ぼくのことをそういうふうに言ってたわけ」
『いやいや、違うって! 誤解だよ!』
こっちは真剣なのに、面白おかしく茶化されていたことを知って無性に腹が立った。
「きみに相談しようと思ったぼくが間違いだったみたいだね。それじゃ、彼氏さんによろ」
『ちょっと、ちょっと晃嗣くん。いくらなんでもオレの康成に対して態度悪くない!?』
突然の乱入者の声に頭が痛くなってくる。康成が『おい、やめろって。返せよ、バカ!』と喚いているのが遠くから聞こえてくる。
「初めまして。いつもお世話になってます。あなたの話はオリュンポスのバーで康成からよく聞いてるよ」
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