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「ゲイ? マジかよ、キッモー! おまえ、お父さんをそういう目で見るなよー? 逆レイプの被害者も、レイプの加害者になるのも、やめてくれよ。おまえが少年院行きになったら、俺が麗奈ちゃんに怒られるんだ。勘弁してくれよ!」
じつの息子がゲイであることを馬鹿にし、嘲笑う歳の若い父親。
「そうですか、では代理母出産を海外で行う必要がありますね。恋人やパートナーができたら、相手の方に海外へ行くことは可能か確認を取ってくださいね。私の経歴に傷をつけないよう慎重に行動してください。もちろん琢磨さんのお仕事の邪魔になることは控えてくださいね」
自分のキャリアを積み上げることと夫の仕事にしか興味のない母親。
愛がどういうものかなんて知らない。両親から教えを乞えるわけがない。
恋人なんてもってのほかだ。
だって恋人なんて、一度もできたことがないんだから。
好きな人ならいる。だけど彼はノンケだ。
遠回しに思いを告げたことがある。事故とはいえ身体を重ねたことも。
でも――ぼくと彼が思いを通い合わせることはなかった。
男と身体を重ねて欲を発散する回数が増えていく。
顔と仮の名前しか知らない相手とヤる。その間も頭の中で考えているのは、思っているのは彼だけ。
彼のものになり、愛され、甘い言葉を掛けられる。
バース性がオメガへ変わらない限り、永遠に訪れない未来を夢想する。
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