ゴミ集めのアネルマ

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　あれは僕が小学校五年生――つまり一年くらい前のことかな。
　あの頃、僕はすっごく嫌だと思っていたことがあったんだ。なんだと思う？――小学校の近くに、ゴミのポイ捨てが多いってこと。
　特に多かったのは、煙草のポイ捨てだった。
　近くに大きな団地があったんだけど、そこに住んでる人の中にはあんまり民度が高くないっていうか、そういう人達も多くてさ。特に、団地の共有スペースが全面禁煙な上、近隣に喫煙所とかもないから煙草を吸ってる人達は結構困ってたみたいだ。
　近くに工場があって、そこで働いている人達が多かったみたいだけど――よく、その工場の裏手とかで、煙草を吸ってる人がいてさ。
　昔はコンビニの前がいつも煙たくて嫌だったんだけど、コンビニが灰皿を撤去してからはそこで吸ってる人もほとんどいなくなったみたいだ。僕達子供からすれば、煙草臭い思いをしなくて済む分助かったんだけど、喫煙者の人達は本当に困ったんだろうね。最近は工場でも煙草を吸ったらだめってことになったのか、工場の裏手で吸ってる人も減ったし。
　でさ、僕は常々疑問なんだけど。
　大人ってなんで、煙草吸うのやめないのかなあ？どうしても吸いたいなら、自分の家の中だけで吸えばいいじゃん？煙草のお金ってすっごく上がったんでしょ。毎日買うのも大変なんでしょ。それに、体にめっちゃ悪いって聞くよ。それを毎日毎日、人に迷惑かけてまで吸う意味ってあるの？やめた方が、絶対健康面でも、経済面でもいいと思うんだけど。
　え？煙草って簡単にやめられないの？まあ、そういう話も聞いたことはあるけど――それならお医者さんに通ってやめればいいじゃん。
　昔は会社のオフィスとか、学校でも吸ってた先生とかいたみたいだけど、今はそういうのどこもかしこも駄目なんでしょ？だったらもういっそきっぱりやめた方が自分のためにも人のためにもいいはずなのにさー。

　ああごめんなさい、話、逸れちゃった。

　とにかく、小学校の裏門の近くで、ポイ捨てが多くてすっごく嫌だったんだよね。なんなら、塀の前に立って吸ってる人もいたくらい。
　確かにこの町って条例で禁止とかされてなかった気がするけど、それでも小学生が通る道で吸うのはすっごくやめてほしいって思ってた。なんなら歩き煙草してて、丁度僕達の顔とか肩くらいに煙草が当たりそうになる時もあってさ。危ないし、いっつもハラハラしてたんだ。