ゴミ集めのアネルマ

　アレがなんなのか、どこから来たのか。
　今、大人の人達がパニックになってるのは知ってるよ。これからこの国はどうなっちゃうんだろうって。みんなみんな滅ぼされちゃうんじゃないかって。
　そりゃ、僕だって怖い気持ちはある。今のところ僕達子供は無事で済んでるけど、これから先どうなるかはわからないし。ひょっとしたら僕達もそのうち酷い目に遭うのかもしれない。人生で悪いことを一つもしてないなんて、そう断言できるほど馬鹿なつもりもないしね。
　それでも、僕は――というか僕達は呆れちゃうんだ。だってそうだろ？
　最初に大人達があたふたしてる時、僕達が思った感想はこれだったんだから。

「え？馬鹿なの？」

　いつかこういうことになるかもしれないって、何で気づかなかったんだろうね。
　僕達にはいっつも同じ注意をするくせにさ。大人は、そういうのを全然守らないんだから駄目だなって思うよ。
　小学生の僕達は、いつもそんな大人のアホらしい行動とか言動に呆れてたんだ。いつかそういうものが積もり積もって、こういうことになるんじゃないかなって思ってたら案の定さ。

　この後どうなるのかって？
　知らないよ、そんなこと。

　でも大人が撒いた種なんだし、大人がなんとかすれば？って思う。子供も悪いことはしたとは思うけど、今のところ大人たちばっかり被害に遭ってるってことは多分、きっと、そういうことなんだろうし。
　……もう、そうやって頭下げられても困るよ。
　僕が教えられることなんて、ほんのちょっとしかないんだよ。えっと、なんていうのかな。
　なんでこうなったのかっていう、経緯を説明するっていうか。アレの正体について、ちょこっと知ってることを話すっていうか。

　でも、それで解決策が見つかるとか、そういうことは期待しないでよね。
　結局やらかしたのは、全部大人なんだからさあ。