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俊:「すいません。案内してもらっちゃって。初めてきたんで、この学校の校内のことよくわかんなくて」
案内してくれた彼女はとても清楚な女性に見えた。染めていない髪が肩まであるロングヘアーの子。「かわいい」というより、まさに「きれい………」と息をのむようなタイプだ。
美愛:「いえ、私も心配してたし。真央くんの友達が来たって聞いてなんだか安心しました」
俊:「えと…橋本さんと真央斗って…その、どういう関係ですか?」
美愛:「あー、あえて定義するなら仕事仲間で同志ですね。私が生徒会の副会長で彼が代議委員の委員長だからよく一緒に仕事してて。それから、同志っていうのは、真央くんの希望職種と私の希望職種が同じ国際系だから、よく受験対策や今後のキャリアについて相談するので、そういう意味で同志かな、って」
俊:「希望職種!? え? 今、橋本さん、高二ですよね……?」
美愛:「ええ。私は将来海外のNGOで働きたいって思ってて、真央くんは外交官志望なので、分野は少し違いますが、海外の大学院の話や語学試験対策の話をよくするんです」
俊:「外交官!? 真央斗が!?」
美愛:「そうですよ。まぁ、本人は専門職の方みたいですが…」
今までの真央斗の性格からそんな進路、信じられない………そう俊が思ったとき「橋本さん!」と階段の上の方から声をかけてくる男子生徒がいた。
顔を上げて見ると、そこには自分と同じように少し日に焼けた同い年ぐらいの男子生徒が少し焦ったような表情でこちらを見ている。「サッカーやってる人かな」彼の雰囲気や体格から、俊はその生徒が自分と同じでサッカーをやっている男子生徒だと察した。
美愛:「ああ、姫島くん。どうしたの?」
姫島:「いや、さっき、橋本さん「他校に彼氏いる」って聞いて………」
美愛:「うん、いるよ。この人」
俊:「!!?」
ちょっ!? ど! どういうこと!? 俊は衝撃を隠せなかったが、あまりに唐突に驚きすぎて逆に何も言えない。
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