1人が本棚に入れています
本棚に追加
そうして三年ぶりに見た真央斗の顔。
そのとき俊の最初の印象は「誰だろう。この人」だった。
顔が変わったわけじゃない。身長が伸びたとかでもない。真央斗なのに。まるでうり二つの別人がそこに寝ているような…そんな感覚を俊はおぼえていた。
保健室の先生:「あー大丈夫、大丈夫。疲れとかストレスが溜まってたんでしょ。うちの学校じゃこういうのしょっちゅうだから…何時間かしたら目さますわよ」
俊:「何時間かって……念のため病院とか行った方がいいんじゃないですか」
保健室の先生:「うーん…まぁ、保護者の人が良いって言うならそれでも全然いいけど。見ての通り本人意識ないよ?どうする?」
俊:「あ、俺が連れて行きます。おんぶとか抱っことかして…なんとか」
保健室の先生:「おんぶ!?…アハハッ!いいね!気合い入ってるね!」
俊:「あざっす…あのじゃあ、ちょっとおばさん、こいつのお母さんに電話してOKか聞いてきます」
保健室の先生:「はいはーい。あ、電話は外でかけてね。他の子も横になってるから」
「はい…あ、もしもし。おばさん?王のとこの…」そう言って廊下に出ていく俊。数分後、戻ってくると保健室の先生は「よっこいしょ!」と言って真央斗をおんぶしやすいよう彼の体勢を変えてくれていた。
最初のコメントを投稿しよう!