1.運の悪い女

3/3
前へ
/86ページ
次へ
 途端、黒い画面が現れた。  そこに一瞬のうちに呪文のようなものが文字が羅列されていく。 「えっ、ちょっ――」  PCを乗っ取った誰かが猛スピードでタイピングしているみたいに、画面は文字で埋め尽くされ、スクロールバーがどんどん小さくなっていく。  一瞬のうちに黒い画面が現れて消え、今度は様々なウィンドウが次々と乱立し始めた。  何これ――  横にいた先輩デスクが湖南の異変に気づき、焦り声をあげた。 「あ、こらコナン! ケーブル抜けっ! おいやばいぞ、コナンがウイルスに感染したっ!」  言われるがまま、ノートパソコンに繋げられたネットワーク線をぶちっとひっこ抜いたが、時既に遅し。編集部内は既に火が付いたような騒ぎになっている。 「るせぇ、落ち着け!」  熊田編集長がぶち切れた。 「コナンッ! 何しでかした!」   「すっ、すみませぇんっ!」
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加