地中のお化け

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 「天の御使……天使信仰の地域からの行商だったか!なら、あれも……」  依頼主は荷台の日除け布を捲り、煤と化したオレンジを拾い上げた。  「これが!」  「ええ……ですが、あまりお触れになる物ではございません。私めの旅路の安泰の対価に、天の御使が食したオレンジでございます。我々は、敬意を込めて、"天使の取り分"、と呼んでおります……」
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