3 また春から

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「愁、ノックはしろ」 そう言いながらデスクに着く。 「副社長、またよろしくお願いいたします。」 「翠ちゃん!卒業おめでとう!」 お祝いしてもらい「ありがとうございます」と笑顔で返す。 久しぶりに戻ってきた気がする。 なんだかすごく安心した。 「夏希にいじめられたら言うんだよ」 「はい!」 「そんな暇なの?副社長」 社長からの圧で副社長は笑いながら手を振って社長室を出ていく。 私も業務に入ろうとデスクに向かった時だった。 テーブル上になにか乗っている。 ラッピングされた箱が目に入る。 「…これは?」 手に取ると社長はチラッとこちらに目を向ける。 そしてぶっきらぼうに「開けてみれば」なんていうから、言葉通り開けさせてもらった。
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