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「へー、夏希が」
昼休憩、副社長と屋上でご飯を食べながら話す。
「はい、最近すごく多いんです。何か知りませんか。」
副社長と昼休憩になると屋上で話すのは割と日課になっていた。
特に約束とかはしていないけど、私も休憩をここで取るし副社長もよく来るので偶然でそうなっていたと言うか。
「うーん、何も聞いてないな。彼奴のプライベートなんてあってないようなもんだし。」
「そうですよね…」
納得、休みの日も会社にいるというくらいだからプライベートも仕事していると思ってた。
そんな認識は周りとも一致している。
私も水筒のお茶を飲みながら、考える。
いや、私にはすごく関係ないんだけど。
何か気になると言うか。
「…気になる?夏希のこと」
私の顔を覗き込みながら、少しだけ笑みを零している副社長がそう問うてくる。
「…興味本位ですよ、ただの」
そう言いながら少しだけ笑い返す。
「謎な人のことって知りたくなるじゃないですか。そんな感じです。」
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