PROLOGUE

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『親友』とは両翼のようなものだと思う。 同じ方向を向いていれば、飛ぶことだってできる。 教員:「おい!!お前ら!!落ち着け!!な!!?やめなさい!!」 真央斗:「誰のせいでこうなってんだよ!!? バカが!! だったらお前が代わりに死ね!!」 綾人:「どうしよう。真央斗………」 真央斗:「大丈夫だよ!ああいうやつらは言って自分のことしか考えてないゴミだ。こっち来ないよ。もう決めてここまで来たじゃん。ね!? あとは僕と足を出せばいいだけだから………」 綾人:「でも俺、怖い………」 真央斗「大丈夫! 僕にしっかりつかまってればいいから! 僕が先に足を出すから! ね?」 綾人:「ダメだ。俺………」 真央斗「綾人!! しっかりしろ! じゃないと『くり返し』になるから! 最後まで一緒にいるって言ったでしょ?」 綾人:「………ごめんっ」 真央斗:「ダメだ!! 綾人!!」 綾人:「あああああああぁ!!!………ごめんあぁ!…あぁ!ゴメっ!!…真央斗!」 真央斗:「綾人………」 「ごめんなあぁ!!……ごっ!!ごめんっ…なっ!!……ごっ……なおっ」そう言ってむせながら綾人は大泣きしてヘタッと、まるで全身に力が入らなくなったかように(しり)もちをついた。(あやま)ってるようだけど何言ってるのかよく分からなかった。ああ、でも綾人は尻もちついても、最後まで僕の学ランの(そで)を必死につかんでたっけ。 少しでも向かう方向がずれた途端、『親友』は片翼(かたよく)になる。 片翼でどうやってトべばいいのだ。まして、落ちることすら一人ではできないのに。 「いいよ。綾人………」そう言って真央斗はただぼうぜんと、目から一筋の(なみだ)をこぼした。 神もいない。こんな地獄(じごく)で。
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