0人が本棚に入れています
本棚に追加
PROLOGUE
『親友』とは両翼のようなものだと思う。
同じ方向を向いていれば、飛ぶことだってできる。
教員:「おい!!お前ら!!落ち着け!!な!!?やめなさい!!」
真央斗:「誰のせいでこうなってんだよ!!? バカが!! だったらお前が代わりに死ね!!」
綾人:「どうしよう。真央斗………」
真央斗:「大丈夫だよ!ああいうやつらは言って自分のことしか考えてないゴミだ。こっち来ないよ。もう決めてここまで来たじゃん。ね!? あとは僕と足を出せばいいだけだから………」
綾人:「でも俺、怖い………」
真央斗「大丈夫! 僕にしっかりつかまってればいいから! 僕が先に足を出すから! ね?」
綾人:「ダメだ。俺………」
真央斗「綾人!! しっかりしろ! じゃないと『くり返し』になるから! 最後まで一緒にいるって言ったでしょ?」
綾人:「………ごめんっ」
真央斗:「ダメだ!! 綾人!!」
綾人:「あああああああぁ!!!………ごめんあぁ!…あぁ!ゴメっ!!…真央斗!」
真央斗:「綾人………」
「ごめんなあぁ!!……ごっ!!ごめんっ…なっ!!……ごっ……なおっ」そう言ってむせながら綾人は大泣きしてヘタッと、まるで全身に力が入らなくなったかように尻もちをついた。謝ってるようだけど何言ってるのかよく分からなかった。ああ、でも綾人は尻もちついても、最後まで僕の学ランの袖を必死につかんでたっけ。
少しでも向かう方向がずれた途端、『親友』は片翼になる。
片翼でどうやってトべばいいのだ。まして、落ちることすら一人ではできないのに。
「いいよ。綾人………」そう言って真央斗はただぼうぜんと、目から一筋の涙をこぼした。
神もいない。こんな地獄で。
最初のコメントを投稿しよう!