僕 / 俺 × 在这个地狱里 / この地獄で

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真央斗:「先生、すいません。さっきの紙、もらってないです」 綾人:「あ、いけね。俺、間違(まちが)えてもらっちゃったかも」 これが中学1年生の時、初めての綾人と話した会話だった。 真央斗:「ん?ありがとう………あ!同じ名前なんだね。僕、相原真央斗」 綾人:「お、ほんとだ!俺、相原綾人。よろしく」 そんなにめずらしいことではなかったけれど、中学一年生の僕らにとっては、同じ名字(みょうじ)、同じ()き手、同じ学年で、同じクラスで………そういう『同じがいっぱい』みたいなのはそれだけでなんか(うれ)しくて、親近感(しんきんかん)がわく。だから綾人と仲良くなるまでにはそんなに時間はかからなかった。 真央斗:「定期(テスト)の結果どうだった?」 綾人:「俺、13位だった」 真央斗:「ああ、負けちゃった。15位」 綾人:「いや、お前もスゲーじゃん」 真央斗:「上から目線じゃん!」 勉強だけではなく、私生活や今後の進路、休みの日はお互いの家に行ったりして、そうやって一緒に学校生活を楽しんでいたとき………それは(しず)かに始まった。
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