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その当時
飛ぶ鳥を落とす勢いで
数々のドラマや映画に出ていた若手女優との
熱愛報道が報じられた。
首相は妻子持ちであることから
世間からは
「けしからん」
「こんな不倫男が日本のリーダーなんて世界の恥だわ」
と批判の声が絶え間なく飛びまくった。
首相は火消しをしようと
緊急会見なるものを開き
自身の身の潔白を訴えるパフォーマンスを
30分近くも行った。
だがその内容はどれも
言い訳がましいものばかりで
「私は、彼女にはめられました」
「ゴシップを狙って勝手に付きまとわれたんです」
とまるで自分が被害者であることを
強調した発言が幾度となく口から発される。
でも首相の熱愛を世に知らしめた
ゴシップ誌の記事の中には
若手女優と首相が手を繋ぎながら
溢れんばかりの笑みで歩いている姿が
載っていたのだ。
その事もあり
より批判の声は
「挙げ句の果には被害者づらかよ」
「擁護する訳じゃないけど不倫相手の女優さん掌返しされて可哀想」
などなど収まるどころか
油に火を注いだように大きくなっていった。
お陰で支持率はみるみるうちに下がっていき
日本の総理大臣の中で
過去最低の支持率という
不名誉な記録を現在進行形で残している。
どん底の渦中にある首相が
また記者会見開くというので
不倫の言い訳"第2弾"とでも銘打って
醜い悪あがきでも見せるのかと
この時は思っていた。
その会見が後々
自分の身はおろか
国民全体が危機に陥るものだとは
知る由もなかった。
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