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俊:「………はい?」
直央斗:「せっかく成人したんだし。なんの思い出もないのつまんないし、僕はわかんないけど、ちょっと頭ぐちゃぐちゃのときは動いた方がスッキリするし、それに、ほら!」
そう言って直央斗はバンザイ!して腕を高々と上にあげて言った。
直央斗:「雪降ってるし!」
俊:「………『踊る』って何? 社交ダンスみたいなやつ? え? 直央斗、お前ダンスとかやってたの?」
直央斗:「違うよ! あんな激しくて本格的なんじゃない。僕が言ってるは『プロム』のやつ」
俊:「『プロム』? 何それ?……『ワルツ』とか『タンゴ』とか、ああいうやつ?」
直央斗:「ううん違う。正確には『プロムナード・ダンス』。アメリカの大学や高校ではパーティーとかの時に男女ペアになって簡単なダンスを踊るんだよ。ほら? 洋画とかで男の人と女の人がゆっくりゆったり踊ってるのとか観たことない? あれ」
俊:「あー! そう言われたら、なんかどっかで観たことあるかもしんねぇわ……え? あれできんの?」
直央斗:「うん。実は去年3ヵ月間だけアメリカに短期留学してて、そのとき向こうで参加して実際に教えてもらったの。て言っても簡単な『ステップ』だけだけど。だからクルクル回ったりできない………でも俊がもし今後、本格的にサッカーで海外に進出するなら、海外のウエディングとかでも使えるから覚えておいて損はないと思うし」
俊:「………んま、確かに?」
直央斗:「どう? 動きは僕が教えるからちょっと踊ってみない?」
俊:「あー……いや……そういうのはさすがに。しかも男同士つうのも、なんつーか」
そんな俊に直央斗は手を差し出して「なら、とりあえず一回だけやってみようよ」と言った。
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