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そんな指先を震わせながら次のタップを迷いに迷っている直央斗のスマホ画面に新らしく「①」の表示が。
真央斗:「えー!!俊?ここに来て俊!?アイツ、いまいま究極二択を迫られている僕の戦いを、VS(バーサス)から三つ巴の戦いにしやがった………ふざけやがって」
真央斗:「まぁ、でもね。『地元のサッカークラブで仲良かった人たちと行けば?』…と」
「うん、これでよし」直央斗は満足げに送信をタップした。
さて、二択に戻ったわけだけど…どうすっかなー。いや、もうどうせ会わないし、やっぱちょっとツラタンな展開にならないように綾人と…かな?
「くっ!……ぬっ!」指先の向かう先が定まらない真央斗の戦いは続くのであった。
一方そのころ
俊:「『地元のサッカークラブで仲良かった子たちと行けば?』…え?つめた」
直央斗からのLINEのリプライを見て少しだけ悲しくなる俊。
確かに地元のサッカークラブには通っていたが、途中から入ったうえに、となり町だった。それゆえ、言われても一緒に行くような人は思いつかない…そんなことを思いながら俊は今までのサッカー人生を振り返る。思い返せば確かに集団行動が多く、それが当たり前だったが、個人で仲がいいとなると「この人」という人はおらず、それになんというか、今まではけっこう、どちらかというと受け身な感じで生きてきたような………
「俺も成人したらちょっと大人になんのかな…」そんなことを考え、俊は「よしっ」と自身の考えを改めこれからはちょっとだけ積極的になろうと決意した。
俊:「『ここは幼馴染以外選択肢ないっしょ!』……『ぴえん』つけとこ」
「フフッ」俊は直央斗の反応よりもちょっと積極的なメッセージを送る自分に満足げだった。
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