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PROLOGUE
俊:「あー!………どうすっかな。マジで」
成人式とはなんていじわるな式典なんだ。自分の住民票がある場所でないと参加できない。俺は中学も高校も神奈川県の学校に通っていた。ただ実家から通学していたため、人間関係こそ悪くないのに神奈川県の式典には参加できず、参加したい場合は実家のある東京の式典に参加しなければならない。
ただその場合、俺には一緒に行く友達が………いない。小学校の時に転校してここに来た俺には、小学校の友達で行けるようなヤツはいなかった。……ただ一人をのぞいて。
「はぁ……」なぜこうなってしまうのだろう?小学生のときも最初同じような理不尽はあった気がする。とはいえ、もう二十歳。大人になってまで同じように考えてしまうのか、俺は。なんだか自分が情けなかった。
今年二十歳を迎える俊は高校では全日本選手権や大会に出場してかなりの活躍をし、本人もユースからサッカー選手のプロ入りを考えていたものの、彼の母の強い希望もあり大学へ進学。現在は引き続き大学でサッカー部に所属しながらも、プロになることをあきらめず、Jリーグ加盟のどこかのクラブへ入団できるよう加盟クラブチームのセレクションへの参加を考えていた。
俊:「ここにきてまた『ぼっち』くらってるわ」
我(オレ)はまた真央斗のことを考えている。最後に会ってから3年の月日が流れていた。
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