生還

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 誰も死んでいないのであれば幸いであった。 「それで瓦礫の重さもあまり無くて圧死しなくて済んだんですね」 「そうなんだよ。ほんと君たちは運が良いね」  何だか化かされたような話である。 「では、私はこの辺で失礼するよ」 「事情聴取はこれで終わりですか?」 「そうだね。また何か聞くことがあったら来るよ」 「忙しい所御足労ありがとうございました」 「まあね、本当に忙しいんだよ。なんせ火事場泥棒が多くてね、そっちで手がいっぱいなんだよ。あ、それとその宝石の原石は大事にしなよ。それが光ったから君達を早めに見つけられたのだからね」 「はい」  警官が部屋から出ると私は太郎を手の平に乗せた。  そして軽くキスをした。 「ありがとう。あ、他の石たちも救出しなくちゃね」 END
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