生還

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生還

 何時間寝ただろうか、起きたら相も変わらず旦那が私を押しつぶしていた。 ピクリとも動かないので死んだかと思ったが、鼻息が私の顔にかかったので生きている事が確認できた。  体が動かないこの状態では何かをすることはできない。ただ顔が動く事と伸ばした状態の右腕が少し動くのと右手の指が動く事は確認できている。右腕だけには重みが無い事からは瓦礫は乗っていないと推測できる。但し大きく動かすことはできない。  そうこうしている遠くから声が聞こえてきた。 「お~い、誰かいるか~」  どうやら救助隊が来てくれたようだ。ライトの光が右手の隙間から入って来た。  私は力を振り絞って声を出した。 「コ、ココココ」  旦那の重みと圧が凄くて大声が出せない。 「コ、コ、ココニ」  再度叫ぶが聞こえないようだ。  
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