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「ちょっとだけ時間いいですか」
「はい」
落ち着いた物腰の警官だ。
「君の怪我は大したことないから明日には退院できるよ。旦那さんの方は今手術中だけど両腕と鎖骨と大腿骨が折れたぐらいなので命に別状は無いよ」
旦那の事をすっかり忘れていた。
「そうですか」
「君たちはとても運が良かったね」
「まあそうでしょうね。私も驚いていますよ」
「何だかね、君たちの上で瓦礫とは別の石がうまく組み合わさっていてね、ビザ窯のようになってたらしいよ。それで落下してきた瓦礫の重みが軽減されて君達は助かったんだよ」
「そうですか、さすが私の家族達ですね」
「ん? 家族? どう言う事なの?」
「いえ、言い間違えました。本当に運が良かったです」
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