出会い

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 ほどなくして私は居場所がなくなり滝のすぐ傍の大石の上に腰を下ろして上から落下する水を眺めていた。  そんな折、何かが私を見ているような視線を感じたので首を振って見渡した。  私の事など誰も見ていない事は分かっている、分かっているのだけど確かに視線を感じる。  そしてその視線の主を特定した。  下を見るとテニスボールくらいの大きさの青い宝石の結晶が数箇所刺さった石が落ちていた。どうやら視線の主はこの石のようである。  私はそれを手に持ち言葉をかけた。 「君の名前は?」  当然返答は帰って来ない。 「仕方ない子ね、じゃあ君は今日から太郎ね──それでどうする? 私の家に来る?」  私はその石を3分ほど見つめた後スカートのポケットに入れた。
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