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7階はおしゃれな食器やインテリアが並んでいた。
ゆっくり見てみたい気持ちもあったが、こんな場所で戦闘になれば、あの繊細な食器や家具を壊してしまうかもしれない。
背中を押して、足早に通り過ぎた。
6階はナイトウェアやランジェリーの専門ショップだ。
ここも、龍一が鋭い目つきをしてうろうろしたら、女性たちから変態認定されてしまう。
というわけで、ここもさっさと行こうと背中を押すのだが、なんと、龍一は足を止めて動かなくなってしまった。
それどころか首をぐるりと回して、辺りを値踏みするように見回しはじめた。
龍一は普段から、通販でだが、美百合の下着を一緒に選んだりするから、自分が下着売り場にいることにも違和感を覚えないのかもしれない。
だけど美百合は違う。
女性たちがこちらを見る視線が、チクチクと突き刺さってくるのを感じる。
龍一がいつも浴びている、憧れを見る目ではない。
おぞましい変態を見る目だ。
どんなにイケメンでも、立ち入らない方がいい場所はあるのだ。
それなのに龍一はなんと、
「ここはいいな」
と、変態を裏付けるような問題発言を繰り出した。
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