5,エピローグ

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龍一の素直な笑顔に、美百合の胸がキュンと高鳴ってしまう。 本当に龍一の顔に美百合は弱い。 腹をたてていた気持ちもどこかに飛んでいってしまった。 頬を染めて目を逸らす美百合に、龍一はふわりと頬を寄せてくる。 美百合の耳のすぐ側で格別に甘い声で、 「俺とはしゃべってくれないのに、店員とは話すんだとムカついていたんだ。あいつら全員の個人情報を操作して、社会的に抹殺してやろうかと思ったくらいだ」 とんでもないことを言った。 キュンとした気持ちも、またどこかへ吹っ飛んでしまった。 「……私がしゃべらなかったのは、龍一にみっともない声を聞かせたくなかっただけだよ」 美百合がそう言うと、龍一はわかっているとうなずき、 「それでも寂しかったんだ」 と囁いた。 美百合は恐る恐る続ける。 「お店の皆さんにものすごくわがままを言ったの。それでもみんな良くしてくれたわ」 「支配人に言っておこう。全員冬のボーナスUpだ」 「このお店の物も、たくさん買うって約束したの」 「後で店ごと買い取っておこう」
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