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しかし龍一は心底気に入らないとむくれて、
「俺が忘れるなんてこと、地球が滅亡してもありえない」
きっぱりと言い切った。
『地球滅亡レベルって』
美百合は呆れて口をあんぐりと開けてしまう。
すっかり会話する気をなくして、
「まあ、それならそれでいいわよ」
そう切り上げようとすると、
「ちょっと待て。信じてないだろう」
と肩を捕まれた。
「ならば地球滅亡の確率をここで示そう。地球温暖化がこのままのペースで進めば、100年後には地球の表面温度が2度あがり、南極の氷が溶けはじめてーー」
いきなり理科の授業が始まってしまった。
「……」
「聞いてないな」
三秒でバレた。
龍一は諦めたようにため息をついた。
「美百合の考えていることくらい、顔をみていれば全部わかるんだ」
『嘘だよ。しゃべらなかった時はことごとく勘違いしたクセに』
考えただけなのに、龍一は心を読んだように答えた。
「理解しても、希望はかなわないこともある」
聞き捨てならないことを聞いて、美百合は目をひん剥いた。
「龍一ってば、私のこと全部わかってて、わからないフリしてたっていうのー!」
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