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そのまま階段を駆け上がって、寝室に連れていかれる。
ベッドの上に下ろされ、布団をかぶせてくる龍一の胸を叩いて、
『待って待って』
と再び口パクで訴えた。
叩いた胸が痛かったのか、眉をしかめて見下ろしてくる龍一。
心配そうに見下ろしてくる顔も、とびきりイケメンだ。
その頬にそっと両手を添えてやった。
美百合の手のひらに包まれて、龍一はようやく動きを止めた。
「美百合?」
しかめっ面も、変わらずイケメンなので美百合は困ってしまう。
ちょっと強引なところも、格好いいなと思ってしまう。
顔にほだされる、とでもいうのだろうか。
だけど、このまま流されて寝かしつけられるわけにはいかない。
なんたって体は元気なのだ。
美百合は、龍一の頬を摘まんで、みよーんと引っ張ってみた。
柔らかい頬が思いのほか伸びて、一瞬イケメンのマスクが剥がれてしまうのではないかと考えてしまったが、もちろんそんなわけはなく、
「なんだ?」
と、龍一は不快そうに美百合の手を外した。
「おとなしくしていろ。暴れるな」
別に暴れてはいない。
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