♯1 赤い鳥

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♯1 赤い鳥

レッド・ポニー重刑務所─────── 夕方、新しい人が刑務所に入った。全員で、10人。モヒカン頭のナンバー1069のエディ・ガルシアは顔が広い、歩く度に声を掛けられる。今日も声を掛けられながら、食堂に向かう。すると看守のトムに声を掛けられる。 おい! エディ、今日からの新人だ。まだ若いからちょっとみてやってくれ。 なんだって!? なんで俺が? いいじゃないか! それにお前の同居人になるんだから。 まじか。 エディはその新人の方を見ると、たしかに若く、一見女の子のような男の子だ。周りも目を釘付けにする程だ。美しいブラウンの髪色にダークグレーの瞳、ヨーロッパ系に見える。細く、肌は白い、どこか悲しい顔をしている。 やあ! お前が新人だな、俺はエディだ。宜しくな、持ち物はその本と紙と鉛筆か? エディはその子に話しかけるが、無視される。何も話さなかった。果敢に挑むエディ。 その本好きなのか? フィリップ・ロスのさよならコロンバスか。 するとその男の子はエディの顔を見た。まじまじ見てこう言った。 その頭どうやって作ってんの? やっと口開いたか、教えてやるよ来いよ。 いいよ別に興味無い。 エディは内心「コノヤロウ」なんて思ったりもした。
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