議題 月について

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晃「いやー、今年の夏は楽しかったな!」 純「ねー!」 凪「まあまあ・・・?」 瞳「くすくす。凪も楽しんでたでしょ」 悟「うむ。いつになく有意義な夏だったな」 瞳「純は何が楽しかった?」 純「釣り!」 晃「ああ、でっかいの釣れたもんな」 純「うん。つれた時のブルブルしたのが面白かったよ」 凪「あー、面白かったね。ちょっと怖かったけど」 悟「今度は捌くのもやってみるか?」 凪「ノーセンキュー」 瞳「食べれればいいのよ」 純「ぼくはやってみたい」 晃「だよな。自分でやった方が絶対楽しいよな」 悟「テントで寝るのも面白かったな」 純「うん!」 瞳「暑くて寝苦しかったけどね」 晃「ま、キャンプもたまにはいいだろ」 凪「家は落ち着く」 晃「お前な・・・」 悟「さて、雑談はここまで。今回の議題を発表するぞ」 瞳「そうね」 凪「なんだろ」 純「わくわく」 悟「今回は『月について』だ」 晃「・・・どういう事だ?」 瞳「月の何について話すの?」 悟「何でも良いらしい」 凪「何でもじゃ分からない」 悟「そうだよな。じゃあ純。月っていうと何を思い付く?」 純「んー。うさぎさんのもちつき」 瞳「ああ、満月の時の模様ね」 晃「なるほど。そういうのでいいんだな」 凪「ちょうど今夜は満月」 瞳「そうなのね。秋になったし、それでこのお題なのかしら」 悟「それは分からん。無関係ではなさそうだけどな」 純「なんで秋だけお月見するんだろうね?」 凪「実は色々ある」 瞳「どういう事?」 凪「栗だったり、芋だったり」 晃「食べたいのか?」 凪「それは晃でしょ」 晃「違うわ!ったく、瞳じゃあるまいし」 瞳「なんでよ!」 純「それで栗とかってどういうこと?」 凪「ん。悟兄さん、よろしく」 悟「はは。凪も良く知ってたな。栗名月とか芋名月とか、時期によって月見での呼び方があるんだよ」 純「へー、そうなんだ」 瞳「花より団子ならぬ、月より栗ってことかしらね」 晃「お前はそうだろうな」 瞳「何か言った?」 晃「いいや何も」 凪「でも模様がウサギに見えるのって日本だけなのかな?」 悟「ああ、アジア圏に多いようだな。韓国や中国でもウサギに見えていたらしい」 純「じゃあ、ちがって見える国もあるの?」 悟「そうだな。ヨーロッパだと女性の顔だったりカニだったり。他にもライオンやロバに見える国なんかもあるぞ」 瞳「面白いわね」 晃「でもイメージの線を重ねて見ないと分からないよな」 凪「晃、夢がない」 晃「いや、だってよ」 瞳「きっとそれぞれの国で、模様に関する物語もあるんでしょうね」 純「おもしろそうだね」 悟「ありそうだが、残念ながらそこまで詳しくはないんだ」 凪「珍しい」 晃「ま、悟だって何でも知ってる訳じゃねえよ」 純「でも気になるね」 瞳「一緒に図書館で調べてみましょうか」 純「うん!」 悟「それじゃあ瞳は月と聞いて何を思い浮かべる?」 瞳「私?そうねえ・・・かぐや姫とか、セーラームーンとか、かしらね」 純「いろんな話に出てくるよね」 凪「ん。特に女性のイメージ?」 晃「ああ、言われてみると確かにな」 悟「月明かりの儚さ、かな」 瞳「そうね」 晃「女心と秋の空みたいに、月の満ち欠けが移り気な感じに見えたんじゃね?」 凪「おお、晃が詩人になった」 瞳「変な物でも食べたのかしら」 悟「似合わんな」 晃「悟まで、んな事言うのかよ」 悟「ああ、すまん。皆の流れに乗ってみた」 純「あきら兄さんはかっこいいよ」 晃「純・・・サンキュ」 悟「なんとなくだが、太陽が男性で月が女性というイメージかもしれんな」 瞳「そうね。でも何でかしら?」 凪「男尊女卑?」 悟「そうとも言い切れないと思うが。男性は力強いイコール太陽で、女性はお淑やかイコール月って感じか」 晃「今はそうでもないけどな。昔からの意識の刷り込みはあるかもしれないけどよ」 瞳「そうね。でもセーラームーンとかは憧れたわ。可愛くて格好いい女の子」 凪「瞳ちゃんにもそんな時があったんだね」 晃「あの頃は可愛かったのになあ」 瞳「今も、でしょ」 晃「ソウダネエ」 純「ひとみちゃんはかわいいしきれいだよ」 瞳「純!(抱きっ)」 悟「はいはい。じゃあ凪は月について何かあるか?」 凪「ではここで問題です」 晃「お?!」 瞳「急にどうしたの?」 凪「月までの距離は・・・」 純「はい!三十八万キロ!」 凪「ですが」 瞳「ちょっと待って凪!」 晃「おい純。何でそんな事知ってるんだよ」 純「このまえ宇宙について図鑑でしらべたの」 悟「偉いぞ純。ちゃんと調べて覚えているなんて」 瞳「さすが純ね」 凪「で・す・が!」 晃「おお、すまん。凪、最初から頼む」 凪「・・・むう」 純「ごめんね、なぎちゃん」 凪「・・・純に免じて許してしんぜよう」 瞳「はいはい。じゃあ凪、お願い」 凪「こほん。月までの距離は三十八万キロですが、歩いて行った場合、何歩ぐらいになるでしょうか?」 晃「いや知らんて」 純「考えたことなかった」 悟「うむ。面白いクイズだな」 凪「むふー」 瞳「当てずっぽうすら無理よね。ねえ凪、選択肢ちょうだいよ」 凪「仕方ないなあ」 晃「頼むぜ」 凪「ではでは。A、八千万歩。B、一億五千万歩。C、五億歩。D、十一億歩。さてどれでしょう?」 純「ぜんぜん想像できないね」 瞳「本当ね。桁が違うわ」 晃「こういうのは大抵一番大きな数字って決まってるんだよ。Dだろ」 悟「まあそれが一番ビックリするんだろうが・・・私は逆にAにしよう」 純「ぼくはBにする!」 瞳「あら何で?」 純「Bだけキリがわるいから、きっと正解だと思う!」 悟「なるほど、賢いな純」 瞳「さすがは純ね!私もBにするわ!」 凪「いいのかな?本当にいいのかなあ?」 晃「ふっふっふっ。煽るのは無駄だぜ凪」 悟「私も構わない」 純「ドキドキ」 瞳「さて、正解は?」 凪「それでは発表します。デデデデデ・・・・デン! C!五億歩でしたー!!」 晃&瞳「「な、なんだってー!」」 悟「凄いな、全員外れるとは」 凪「むふー。してやったり」 瞳「くっ」 晃「やるじゃねえか」 悟「凪はそういう知識どこで覚えるんだ?」 凪「漫画とか。意外と雑学があって面白いよ」 純「すごいねなぎちゃん」 凪「ありがと」 悟「それじゃ見事に騙された晃。月についてどうぞ」 晃「またこの流れか。そうだなあ、やっぱ月面着陸は本当だったのか気になるな」 純「アポロ十一号だね」 凪「アームストロング船長」 瞳「よく知ってるわね」 純「なぎちゃんとは、一緒に図鑑をよく見るんだよ」 凪「なのです」 悟「まあ当時のフェイクニュースという噂もあるが、真実だと思いたいものだな」 晃「まあな。でも確か五十年くらい前だろ?それにしちゃあ今の宇宙開発って遅れてねえ?」 瞳「まあ技術進歩の早さを考えると、確かにね」 悟「だが衛星技術は発展しているし、遅過ぎる訳ではないだろう」 純「月には行ってみたいよね」 凪「ね。ジャンプしたいよね」 純「うん!」 晃「誰でも一度は思うよな。重力が六分の一と聞いたら試したいのが人情だぜ」 悟「まあ世界の目的は月より火星、さらに遠くに、と意識されているようだが」 瞳「そうね。人類が地球から離れる、なんて未来がこないことを祈るわ」 晃「それじゃ最後に悟。月についてどうぞ」 悟「そうだな。某チェーン店の月見バーガーは旨かった」 晃&瞳「「そっち?!」」 凪「悟兄さんがボケた、だと」 純「おいしいよね」 悟「いや、毎年楽しみにしているんだよ」 晃「まあ旨いけどよ」 瞳「激しく同意するわ」 悟「だが最近は月見商戦が激化してて辟易している」 晃「ああ、まあな。日本人の悪い所だよな」 瞳「一度流行ると違う業界も真似するのよね」 純「ハンバーガー以外も見るね」 凪「確かに」 悟「卵の高騰とか聞くしな。それでも私はこれからも月見バーガーを食べていくが」 晃「・・・どうした悟。大丈夫か?」 瞳「そうね。今度チーズ入りの月見バーガーを買ってきてあげるわ」 悟「ありがとう瞳」 純「でもぼくも食べたくなってきたな」 凪「僕も」 瞳「それじゃまとめて買ってきてあげるわよ」 晃「おお、ありがとう瞳様!」 瞳「あんたは自分で買いなさい」 晃「ひでえ!」 凪「それじゃ、ここで締めようよ」 悟「そうするか。今回の議題は広い範囲で話ができたな」 純「今回も楽しかったね」 凪「ん」 瞳「私も面白かったわ。クイズとか」 晃「まさか皆が当たらないとはな」 凪「二人の息も合ってた」 晃&瞳「「そんな事ない!!」」 純「なかよしだね」 悟「うむ。それではこの後には楽しい月見バーガー祭りだ。瞳、買い物頼む」 瞳「まったく、仕方ないわね」 晃「早く戻ってこいよ。じゃないと、月に代わって・・・」 全員「「お仕置きよ!!」」 第8回  閉会
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