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あたしのことをたっぷりと、これでもかってほど甘やかしてくれる明希くんのせいで立派なブラコンに育ったあたしは、男の人に対する理想がエベレスト級に高くなっていた。
「へえ?そう。今までそういう話してくれたことなかったのに、急にどうしたの?」
女の子はみんな虜になっちゃうんじゃないかって思うくらい、甘い微笑みを浮かべて少しタレ目がちな瞳があたしをそこへと映す。
確かに、こうして改まって明希くんに彼氏のことを話すのは初めてだった。
今までも彼氏が出来たことはあったけど、でもなんていうか、明希くんを越えるほど好きだなって思える人じゃないと明希くんには紹介したいと思えなかったのだ。
そしてついに、大学で運命の出会いを果たしたあたしは、猛アピールの末、同じ学部の岡田優馬くんと晴れてお付き合いをする運びとなったのだ!
あたしの人生で1番と言っていいくらい大好きで大切な彼氏だって、優馬くんならそう紹介できる。
今まさに、あたしは幸せの絶頂期。むしろこれからもどんどん上昇していく予定。
この喜び、好きって気持ちを、家族として大好きな明希くんにも共有したい!
そんな気持ちで、今日ははじめて明希くんに彼氏の話をさせてもらったのだった。
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