第1話 追放

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第1話 追放

レオは(おどろ)きと(いか)りを(かく)せず 「でも アレクシア様が(みと)めてくださっています! 勇者パーティには私の力が必要です!」 と抗議(こうぎ)する。 アレクシアは 17(さい)のレオと(おな)(どし)幼馴染(おさななじみ)でもある女勇者(おんなゆうしゃ)だった。 かつてアレクシアのお墨付(すみつ)きで 勇者パーティの一員(いちいん)として (みと)められていたレオだった。 しかし そのアレクシアが行方不明(ゆくえふめい)になってしまい レオの立場(たちば)一変(いっぺん)した。 アレンは嘲笑(ちょうしょう)()かべ 続けて言い放った。 「そのアレクシアが今はいないのだから お前の存在(そんざい)不要(ふよう)だ」 さらに アレンは冷笑(れいしょう)しながら宣言(せんげん)した。 「お前の経験値(けいけんち)持ち物(もちもの)は全て没収(ぼっしゅう)する! レベルは1にリセットだ」 手錠(てじょう)をかけられたレオは絶望(ぜつぼう)し 心の中で(つぶや)いた。 「アレクシア様がいない今 どうすれば…」 市場(いちば)では群衆(ぐんしゅう)が集まり レオを見下(みくだ)す声が()()う。 「見ろ かつての英雄(ゆうしゃ)が今や奴隷(どれい)だ!」 「こんな(やつ)が勇者パーティだったとは笑える!」 レオは人々の冷たい視線(しせん)を受けながら 心の中で思った。 (今まで みんなのために(たたか)ってきたのに (ひど)い…) レオは (くや)(なみだ)()えていた。 王子(おうじ)アレンは最後にレオに一言(ひとこと) 冷たく()げた。 「お前は王国(おうこく)のゴミだ 消えろ」 そう言い(はな)ち レオは奴隷(どれい)として()りに()された。
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