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第14話 幼馴染、決死の抗戦
「女勇者として逃げるなんて……
恥晒しもいいところ……」
アレクシアは心の中で葛藤し
逃げ続ける自分に対する苛立ちと
無力感が押し寄せてきた。
しかし
命を失えばすべてが終わるという現実が
アレクシアに前進することを強いていた。
「今はあのモンスターに勝てない
確実に殺される!
……生き延びなくては……
再び戦うために」
そう自分に言い聞かせながら
アレクシアは歯を食いしばり
逃げることに全力を注いだ。
アレクシアは大木を見つけ
そこの枝に飛び乗り
幹を背にして身を隠した。
荒い息を整えながら
アレクシアは追跡者から
隠れるために身動きを押さえ
周囲の音に全神経を集中させた。
森の中の静寂が一瞬だけ訪れたが
その背後にはまだシャドウリーパーの
気配が感じられた!
シャドウリーパーは執拗にアレクシアを探していた。
アレクシアは息を殺し
できるだけ気配を消そうと
必死だった。
しかし
シャドウリーパーは周囲の
木々に鋭い視線を向け
アレクシアが隠れている木を見つけると
その長い鎌を振り下ろして幹を切断した。
その瞬間
シャドウリーパーの鎌が
アレクシアの髪をかすめ
何本かの髪がパラパラと舞った。
「!」
見つかってしまったことを実感し
アレクシアの心に焦りが募った。
(もう逃げられない……!)
アレクシアは意を決し
シャドウリーパーに向かって突進した。
しかし
その実力差は大きかった。
シャドウリーパーの鎌は
アレクシアの攻撃を軽々と受け流し
逆に鋭い反撃を繰り出してくる。
アレクシアは必死に剣を振るったが
その動きはどこか鈍く
次第に押し込まれていった。
アレクシアが剣を大振りした瞬間
時間がスローモーションのように感じられた。
アレクシアの剣が空を切り
視界の端でシャドウリーパーの影が
素早く動いたのが見えた。
その動きが
まるでアレクシアの失敗を
嘲笑うかのようにゆっくりと感じられた。
シャドウリーパーはアレクシアの背後に
回り込むと、鋭い鎌を振りかざし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーッズズ!!!!!!
アレクシアの背中に
向かって容赦なく切りつけた。
「きゃあああああーーーーーーーーっ!!!!」
アレクシアの悲鳴とともに
彼女の背中から
大量の血が吹き出した!
鋭い痛みが背中に走り
その瞬間
アレクシアの目に映る景色が
一瞬にして鮮明になった。
激痛が全身に広がり
アレクシアは崩れ落ちるように倒れ込んだ。
倒れ込む途中
アレクシアの視界に見えるのは
鎌が自分の背中を引き裂いたことによって
パラパラと舞う髪の毛。
そして
耳には自分の悲鳴が
どこか遠くから聞こえるように響いていた。
その瞬間
アレクシアの意識は激痛と絶望に
飲み込まれた。
シャドウリーパーは倒れて
苦しんでいるアレクシアに歩み寄ってきた。
そして
アレクシアの剣を蹴り
アレクシアの手元から遠くへ飛ばした。
「生きたまま喰らってやろう……」
シャドウリーパーは不気味に呟きながら
アレクシアの左腕をもぎ取ろうとした。
その瞬間
アレクシアはカッと目を見開いた!
そして、残された力を振り絞り
右腕をシャドウリーパーの
胸元に突き立てた。
「いくら、あなたでもこれを喰らったら
無事じゃ済まないわ!」
『ディバイン・ラディアンス!』
アレクシアは叫び
最大スキルを発動した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーッゴゴゴ!!!!!
眩い光がアレクシアの右腕から溢れ出し
シャドウリーパーの体を包み込んだ。
シャドウリーパーは苦痛の叫びを上げ
その姿が光に溶けるように消えていった。
アレクシアは荒い息を吐きながら
その場に倒れ込んだ。
辛うじて勝利を収めたが
アレクシアの体は限界を迎えていた。
激しい激痛に見舞われ
背中の傷からは流血が止まらなかった。
痛みに耐えながらも
アレクシアは何とか意識を保ち
次の行動を考えようとしたが
体はまるで言うことを聞かなかった。
(早く……回復アイテムを……)
アレクシアは焦りながらも
どうにかして体を動かそうとしたが
全身が痛みで麻痺し
動けないままだった。
しばらくの間
荒い息を整え
痛みに耐えながら意識を保ち続けた。
そしてようやく
少しずつ体を動かせるようになり
アレクシアは震える手で
回復アイテムを取り出した。
アイテムを使い
痛みが少し和らいだが
傷の深さから完全に回復するには
時間がかかることを理解した。
すぐに戦える状況ではなく
危険だが、ここでしばらく静養する
必要があると感じた。
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