~記憶を失くした男~

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「・・・つっ・・・」 後頭部に痛みが走った。触ってみる。 怪我やコブは無いようだが、 どこかにぶつけたんだろうか・・・ 「とりあえず、落ち着け整理してみよう」 自分に言い聞かせる様に呟いた。 「それじゃ、まず自分の名前は?・・・ 九条 颯(くじょう そう)・・・よし、大丈夫だ」 自問自答を初めてみる。 「次に、ここは?・・・公園・・・ いや、そうじゃない、どこの公園だ?・・・ 分からない。見覚えがあるような気はする」 ・・・次だ 「どうして、ここに座っている?・・・ 分からない・・・」 「自分の家は何処だ?・・・わからない、 そもそも、あるのか?・・・ いや、あるだろうな・・・」 他に何か手掛かりは、無いのかと 全身をまさぐる。 尻ポケットに、二つ折り財布があった。 中を確認してみる。 数千円と小銭、あとは写真? 「今どき写真だなんて、古風だな・・・ 古風なのか?・・・」 その他に、身元が分かりそうな物は、 入ってないな。 取り合えず、写真を見てみた。
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