~記憶を失くした男~

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写真の彼は、どう見ても20代前半だろう。 やはり、分からない。 写真のマンション入り口も見覚えがある・・ 気はするのだが、思い出せない。 今居る周囲には、 そんな入り口は見当たらない。 余り悩んでも答えは出ないか・・・ 取り合えず歩き出した。 商店を見て歩くが、見覚えはあるような気は しているが、やはり思い出せない。 ある店先にアクセサリーが置いてあった。 淡いピンク色の石がはめ込まれた ペンダントヘッドが目に付いた。 「あいつ・・・この色、好きだよな、 それに、デザインもあいつに似合いそうだ ・・・って、だから、あいつって誰だ?」 ますます、困惑が広がる。 そんなに高い物では無かったので、 そのペンダントヘッドを買った。 「あいつ・・・喜ぶかな?・・・・・・」 そう言ったものの、誰の事だか、分からない 自分に閉口してしまう。 また、しばらく歩く、迷いなく歩く自分に 驚きつつも 「そういや、腹、減ったな・・・」 丁度、軽食が食べれるカフェの前だ。
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